この近代社会においてストレスの無い生活をしている人などいないのかも知れません。多くの人は何かしら自分で認識できるようなストレスをお持ちだと思います。
ストレスというのは慢性化してしまうと、身体的にも精神的にも重大な疾患となってしまう可能性があるので、ストレスによる負担が大きいと感じている方は早めの対策が必要です。
実を言うとストレスが原因で抜け毛や薄毛になるという科学的根拠は現在のところまだ証明されていません。
「なんだ、関係無いの・・?」と思うかもしれませんね。
でも日本人の4人に1人は持つということから国民病と言われる「腰痛」も、なんと約85%は科学的根拠がなく、その痛みは原因不明だということをご存じでしょうか?腰痛だけではなく、原因不明の病気というものはいまだ数多く存在しています。つまり、傾向はあるのだけれど直接的な因果関係が学術的にまだ証明できていないことが多いのが現状だと言えます。ですから逆に言えば「ストレスは抜け毛や薄毛の原因ではない」とも言えない現状なのです。
それでも抜け毛、薄毛にはストレスが原因となる間接的な理由があります。この記事ではその理由や、症状のある方へおすすめの改善方法をお伝えしていきます。
ストレスが抜け毛、薄毛の原因になる理由
ストレスとは
そもそもストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことです。外部からの刺激には、天候や騒音などの環境的要因、病気や睡眠不足などの身体的要因、不安や悩みなど心理的な要因、そして人間関係がうまくいかない、仕事が忙しいなどの社会的要因があります。つまり、日常の中で起こる様々な変化が、ストレスの原因になるのです。たとえば、進学や就職、結婚、出産といった喜ばしい出来事でも、変化であり刺激ですから、実はストレスの原因になります。 引用元: 厚生労働省HP
どうやらストレスが一つも無い生活はできないようです・・・。
ストレスが原因で起こる症状の代表的なものとして次の4つがあります。
- 自律神経が乱れる
- ホルモンバランスが乱れる
- 自己免疫疾患が起こる
- 生活習慣が乱れる
ではそれぞれの症状が抜け毛、薄毛にどう影響するのか解説していきましょう。
自律神経が乱れる
自律神経とは心臓の鼓動や呼吸のように、私達が自分で意識せずとも体の各器官を24時間自然とコントロールしている神経で「交感神経」と「副交感神経」という2つの神経系のバランスで成り立っています。
交感神経 活発に活動するために体の各部の働きを促進する神経。心拍を早め、体温・血圧などを上昇させます。言わばエネルギーを消費する活動モード。
副交感神経 交感神経とは逆に体の各部を休息させる神経。心拍を緩め、体温・血圧を下げて心身の緊張を解く働きをします。エネルギーを補充(生産)する休息モード。
自律神経というのはこの2つのモードを交互に切り替えることによって、身体機能を常に正常に保つための働きをしています。2つが同時に働くことはありません。
しかし内外的にストレスを受けてそのバランスが崩れてしまうと、交感神経が優位になることが増えて血行が悪くなったり、また不眠症状まで起きてしまうこともあるのです。そしてそれらは頭皮環境を乱すことに直接つながります。髪の毛に充分な栄養が届かなければ髪の成長を妨げることになり、結果的に抜け毛や薄毛の原因になってしまうのです。
ホルモンバランスが乱れる
体の中には100種類以上のホルモンがあると言われ、それぞれのホルモンは体の健康維持に必要な機能を調節する働きがあります。通常であれば体の中のそれぞれの内分泌臓器から体を正常に保つためのホルモンが、必要な時に必要な量だけ分泌されています。
しかしストレスによってそのホルモン分泌のバランスが乱れてしまうことがあります。例えばそれにより男性ホルモンが過剰に分泌されてしまうと頭皮の皮脂が異常に増えてしまい、それが雑菌の繁殖の原因になったり、毛穴を塞いで発毛を阻害する原因になることがあります。逆にストレスによってホルモンが欠乏した場合も、健康な頭皮環境に必要な血行や栄養を阻害することになるので、ストレスの影響でホルモンバランスが崩れると自律神経と同じく、結果的に頭皮環境を乱してしまうことで抜け毛や薄毛の原因となります。
AGA(男性型脱毛症)という男性に起こる脱毛症があります。これは遺伝的要素が大きいと言われていますが、男性ホルモンの影響で発症することや発症する時期には個人差があるということから、ストレスによるホルモンバランスの乱れが発症のきっかけになっている可能性も考えられます。
自己免疫疾患が起こる
自己免疫疾患とは、身体に侵入してきた細菌やウイルスなどの異物に対して攻撃をして、身体の状態を正常に保とうとする免疫という機能が、何らかのきっかけで間違えて正常な細胞や組織を攻撃してしまうということで起こる症状です。
例えば円形脱毛症というのは一般的にストレスが原因だと言われていますが、ストレスが原因ではない円形脱毛症の症状もあることから一概には判断できず、その関係性は実はまだ明確になっていません。現在有力な説として自己免疫疾患が原因だと考えられています。
そしてその自己免疫疾患が発症する原因もまだはっきりと証明されてはいないのです。しかし自己免疫疾患はストレスや感染症によって引き起こされると考えられているので、ストレスと円形脱毛症との関係は実際無視できないものだと言えるでしょう。
自己免疫疾患が起こる原因が不明であるなら今のところ私達が対策としてできることは、発症のきっかけになると言われているストレスや感染症に気をつけた生活を心がけるということしかありません。そして大抵の人は通常、風邪やインフルエンザのような感染症の対策はすでに経験済みで心得ているでしょう。
そうなると残るはストレスの問題です。普段、意識してストレスに対策している人がどれだけいるでしょうか。ストレスを減らすと言ってもストレスというものは本当に厄介で、何がどうストレスになるかは人それぞれであり、その認識や判断は非常に難しいことです。
この記事はストレスによる抜け毛や薄毛に焦点をあてて書いています。記事の内容の中でストレスの原因や解消のためのきっかけを見つけてもらえたら、それは生活の様々な改善に大きくつながると信じています。生活の中の悪いストレスを少しでも減らす方法を見つけていきましょう!
生活習慣が乱れる
薄毛対策!ストレスを溜めないための方法・考え方
「ストレスの無い生活がしたいのに、まったくストレスが無くならない」このような考え方は、それ自体がストレスの原因になってしまうのでよくありません。ストレスは人間が生活していれば必ずつきまとうものです。まず、ストレスは「あるのが当たり前」という柔軟な認識を持つ考え方が大事です。そのうえで不必要なストレスや、自分で作ってしまっている余計なストレスを意識と行動を変えることで、できるだけ減らしていくという作業が効果的です。
次からはその具体的な対策方法を紹介していきます。
生活習慣の見直し
自律神経の乱れやホルモンバランスの乱れは、生活習慣の乱れと相互関係にあると言えます。どちらが先かというよりも、一方が乱れるともう一方も乱れやすくなるという関係です。つまり自律神経が乱れてしまうとホルモンバランスが乱れたり、生活習慣も乱れる。ということにもなるし、生活習慣が乱れるとホルモンバランスや自律神経が乱れるというまさに悪循環なのです。
自律神経やホルモンバランスの乱れは少なからず誰にでも起きます。そのほとんどは自覚がありません。しかし唯一、意識的に自分でコントロールできるのが生活習慣です。まずは自律神経やホルモンバランスにも影響する生活習慣を整えていくことで、基礎となる身体のバランス全体を正常に保つことがストレスを減らすためにも非常に大事なこと。 体調不良はそれだけで大きなストレスになるからです。
食生活の改善
身体を健康に保つために大切なことの一つは食生活です。髪の毛の成長に必要な栄養を食事で摂れていない。もしくは、摂れていても血行が悪くて栄養が行き届いていない。それでは当然、髪の毛は成長しにくくなってしまいます。それに食事には生活のリズムを整える重要な働きがあります。特に朝食を食べるということが自律神経を整えるためにも有効です。
朝目覚めると、目の網膜から入る光によって脳は覚醒します。そして身体や臓器は朝食によって入ってくる栄養などによって覚醒するのです。しかし朝食を食べないと脳と身体の覚醒のバランスが乱れます。それに朝食を食べないということは、例えば前日の夕食が夜9時だとすれば、翌日の昼12時の昼食までの約15時間もの間、身体に栄養を補給しないことになります。
人間の身体はよくできていて、外部からの栄養が補給されなければ生命の危機を感じ、生命を維持するために必要なものを体内で優先順位をつけて保護し始めます。生命維持に重要な臓器やホルモン、免疫機能やエネルギーに必要なアミノ酸を確保するために、筋肉からアミノ酸を取り出したり、血液中のカルシウムが欠乏すれば骨を溶かしてカルシウムを補います。髪の毛などは生命の維持には重要とは言えないパーツですから、真っ先に栄養をカットされてしまうでしょう。
身体は寝ている間も絶えず生命の維持のために栄養を消費し続けています。そうしたことからも睡眠明けの栄養が不足している身体には朝食による栄養補給が必要なのです。特に重要な栄養素としてタンパク質があげられます。髪の毛や肌はもちろん、骨や爪、臓器や血液など、身体のほとんどのパーツはタンパク質でできていると言っても過言ではありません。
それでは一度にタンパク質をたくさん食べてためておけばいいかと言えば、それは不可能なのですね。タンパク質(アミノ酸)は一定以上蓄えておくことができません。必要な分以上摂っても排出されてしまうので、タンパク質などの栄養は定期的に摂取する必要があります。そういう点からも栄養バランスのいい食事を規則正しく摂ることが大切だと言われているのです。
良質な睡眠の確保
食生活と同様に身体を健康に保つために必要なことのもう一つは睡眠です。睡眠というのは、つまりしっかりと寝る事。単純なことですね。しかし本当に良質な睡眠がとれているでしょうか?布団に入ってもなかなか眠りにつけない、寝ても途中で目が覚めてしまう、起きた時に疲れを感じているなど、寝てはいてもそれが実際には休息になっていない場合があります。日中に眠気が起きたり、疲れがとれないなどはそういった睡眠の質が関係しているかも知れません。
髪の毛は寝ている間に分泌される成長ホルモンが育成を促します。成長ホルモンは以前、午後10時から午前2時の間に多く分泌されるとされていましたが、現在その説は正しくないとされてきているようで、代わりに有力になっているのは入眠後3~4時間の深い眠り(ノンレム睡眠)の間に多く分泌されるということのようです。
髪の毛と言いましたが、成長ホルモンはそれだけではなく身体全体の調整をしています。免疫機能の促進、骨や筋肉の増大、認知脳への働き、体脂肪を減少させる働きなどの重要なものを管理している非常に大切なものです。
では具体的にどうすればよいのかというと意外と単純で、しっかり食べて、ぐっすり寝ることができる生活をするということです。とにかく、よい睡眠を阻害する行動は控えるべきだということ。現在、スマホを持つのが当たり前の社会では常にスマホに情報が入ってきます。ニュースであったりSNSであったり。寝る前にそれらをチェックしようと思う人は大勢いると思います。これはよくありません。
寝る前にスマホなどの画面を見ること自体、よい睡眠を阻害することになります。それにそこから入ってくる情報が脳を緊張させることで、これから副交感神経を優位にして睡眠に入ろうとするタイミングを逃し、交感神経が優位になってしまうことで眠りを遠ざけてしまうことがあります。同様に就寝前の喫煙、飲酒、食事なども快適な睡眠を阻害する可能性があります。
良質な睡眠がとれていない方は、仕事の準備を前もってするのと同じように、睡眠前にも睡眠の準備をする気持ちで生活するといいかもしれません。準備は逆算をします。例えば、翌日昼の12時に昼食をとるとすれば、食後の消化ホルモン分泌などの休息のためには次の食事まで5時間ほど必要だとされていることから、朝食は7時には食べておきたいところ。7時に朝食を食べるなら、6時半頃には起床しなければなりません。6時半に起床するとすれば、7~8時間の睡眠をとるには夜10時か11時頃には寝てなくてはならない計算になります。すると夕食や入浴は9時頃までには済ませておきたいことになりますね。
明確なストレスの原因を改善する
もし自分で明確にわかっているストレスの原因があるならば、可能な限り改善していくことをおすすめします。それが仕事、住居や家庭環境などによるものであれば、無理だと思ってしまいがちですが、実際には転職、引っ越し、そして離婚でさえも不可能ではないこともあると思います。慢性的に大きなストレスを抱えたまま悪循環を続けていくよりは、一時的にストレスを抱えることになると感じても、変化を起こして環境を変えてみることで大きなストレスの原因が消えて生活が好転することもあります。
小さな話ですが例えば、都市部には通勤ラッシュというものがあります。電車であっても車であっても混雑する時間帯がありますね。自分でそれほど認識せずにストレスを作ってしまっていることが意外と多く、それを継続してしまっている例というのが、毎日時間に余裕が無い通勤をしているという状態です。
少しでも長く寝ていたい。そのような願望から起床時間はいつも出勤準備ができるギリギリ。朝食も摂らず、急いで身支度だけをして出発。目標の電車に乗れるかどうかギリギリ。車なら出社時間に間に合うかギリギリなので自然とスピードを出してしまう。そのような状態でいると、目の前で起こる些細なことでイライラしてしまいます。前の人が自動改札で扉が閉まって通れなくなったり、車なら前の車が遅かったり、その車のせいで信号にひっかかったりするだけでものすごくイライラすると思います。
ところがです。たった30分早く出発するだけでどれだけ気持ちに余裕ができるでしょう。自動改札で止められた人が困っていたら、笑顔で親切にアドバイスしてあげる余裕ができます。車での通勤中、道を渡りたい老人や子供がいたら、止まって渡してあげることもできます。ストレスどころか、自分の行動に誇りを持てるようになるかも知れません。気持ちもよくて、その日の仕事も笑顔でうまくこなせるかも知れませんね。
今までの習慣化されていた環境を変えること自体、大きなストレスになります。変化や挑戦にはストレスはつきものです。しかし例え失敗したとしても、挑戦する前よりストレスは減っていることもあります。そして成功した時には「何でこんなことで悩んでいたのだろう」「もっと早く行動しておけばよかった」と以前のストレスのことなど、どうして悩んでいたのかすら忘れてしまっているかもしれません。例えばたった30分早く起きる。そんなことから起きる生活の変化に好循環の始まりがあると思います。
ストレスを発散する・発散できる方法を見つける
ストレスの原因も人それぞれであるように、そのストレスを解消する方法も人それぞれです。好きなこと、嫌いなこと、許せること、許せないこと。人それぞれ違います。うまくいっている他人から一般的なストレス解消のためのアドバイスをもらって実行したとしても、なぜか自分は一向にストレスが解消されないと悩むのは余計にストレスになる恐れがあります。
人はそうしてストレスを解消しているのに、自分は同じことをして解消できない。自分が悪いのか・・。なぜ同じように解消できないのか。という具合に余計にストレスを増やしてしまう可能性があるのです。それは、うまくストレス解消ができた人のアドバイスではあるものの、自分にはあてはまらない解消法なだけです。人は一人ひとり全く違う生き物ですから。
うまくいっている人がそのアドバイスをしてくれたから実行してみる。しかしそれはその人だからうまくいった例であったり、その人でさえ、同じことを繰り返して毎回ストレス解消ができるとは限らないかも知れません。
人のアドバイスを聞くなというわけではなく、色々と試してみることが大切だと思います。その結果、その人と違って自分はその方法ではストレス解消にならないと思えば、それは自分のストレス解消法の中から省けばいいだけです。
自分のこと。自分がどうしたら喜ぶのか。これを知るのは誰もが意外と難しいことかも知れません。人の真似をする必要は全くないのです。自分には何も無い。そんなことはありません。色々と試してみれば、きっと自然にリラックスできることが見つかるはずです。例えば、こうでなければならない。というその土地の風習の中で暮らしていると、それに合わない人はストレスになると思います。でも意外と隣の県に行ってみたらそんな風習が無かったりして。なんだ、ここの方が私は住みやすいや。ということもあります。
注意したいのは、身体に悪いことでストレス発散をするのはやめましょう。たまにお酒を多めに飲んでしまうとか、映画を観て少し夜更かしをするなどはいいと思いますが、例えば食べることをストレス解消にして、それが続いた結果が肥満になってしまってはその肥満がストレスになりかねません。できる限りストレス解消の方法は健康的な方法を選ぶことをお勧めします。運動をして身体を動かすことも気持ちのいいものですし、面白い小説を読むのもモチベーション向上に役立ちます。自分にとって糧になるようなこと。ツアーの旅行に参加するでも、一人旅で旅先の人と交流するでも、通常の生活から離れて温泉にでも入ればリラックスできるのではないでしょうか。
そうして自分のリラックスできた方法を見つけられたら、そのリラックスタイムを目指して今を頑張ることができます。それがあるから今が多少辛くても頑張れるという風に。それをやるために今頑張っているんだというモチベーションが生まれ、この嫌な今が一生続くと思う仕事なども乗り越える力になるのだと思うのです。
今までの考え方を変えてみる
この(嫌な)生活がいつまでも続く・・・。このような気持ちをした状態が続くと、ストレスから逃れられない傾向があります。例えるならそれはゴールのないマラソンや、目標回数の無い筋トレのようなものですから。いつまで頑張ればいいのかさえわからない状態です。
私にもそういう経験があるのでよくわかるのですが、例えば「これが一生続く」と考えるのと「これはあと1年で終わる」と考えるのでは気持ちの持ち方が全く変わってきます。前者は日々憂鬱な気持ちが終わりなくダラダラと続くだけに対して、後者は全く同じ日々を送っていても「これもあと1年で終わりだ!」と目の前の嫌なことにも終わりがあると思えることで、それまではとにかく頑張ろう。というようなモチベーションを作ることができます。つまり嫌なことに対して「期限」をつけて考えるようにすると、そのストレスを大幅に減らすことができるのです。
まとめ
自分と他人を比べるのはやめましょう。
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